優秀な人材の確保と定着は、全ての企業において重要なテーマだと言っても過言ではないでしょう。
高い採用コストをかけて、優秀な人材を採用したとしても、すぐ離職となると目も当てられません。
採用の優位性だけではなく、入社後の社員満足度の優位性を高める必要があります。
ここでは、いかに従業員満足度を上げるか4つのポイントから語ってみようと思います。
①仕事の満足度
まず一つ目は、仕事の満足度について。
一口に「仕事の満足度」といっても色々な角度があります。
まず
・仕事の意義、やりがい
自社の存在が社会に対してにどのような影響を与えているか、
そして自分の仕事が社内でどのような位置を占め、誰を喜ばせているか。
これらが明確に認識できないと、仕事そのものへの満足度は高まりません。
大切なことは、これらを本人が「どれだけ実感できているか」です。
「お金」や「雇用の安定」という個人のベクトルではなく、
仕事の中身そのものが周囲に及ぼす良い影響や、
顧客から感謝される実感のようなものがとても重要になってきています。
自社が社会にどのようなプラスの影響を及ぼしているか、
そして、自分は社内でそれらを実現するためにどのような貢献ができているか。
そしてそれを実感してもらうことが重要です。
・自身の成長の実感
特に若い社員にとって、自身の成長の実感はその会社で働き続けるかどうかの重要なファクターとなります。
名の通った企業だとしても ルーティンの様な仕事を繰り返す毎日では
自分自身の成長実感が得られず、モチベーションは下がり続けます。
どのような仕事を与えるか、
マネジメントする側のスキルも求められる項目です。
・明確なキャリアパス
成長している企業では最近はもう見られなくなりましたが、
年功序列の人事制度が根強い企業は若い社員にとって閉塞感が高まります。
自分が行った仕事に対する評価というより、勤続年数や社内での立ち振る舞いが
自分の社内キャリアを決めるという人事評価が定着していると
まずモチベーションは上がりません。
透明性があり、評価の基準も明確で、可視化された評価制度が必要です。
また、優秀な人材ほど、今いる会社で定年までという
キャリアプランは考えていません。
その優秀な社員にとっては、適正な評価基準の中で仕事をし、結果を出し、
成長の実感もでき、その結果「新たなフィールドで挑戦したい。」という
プラスの感情から次へのステージを考えます。
会社から見れば、惜しい人材を失ったと思うかもしれませんが、
これは仕方がないことです。
成長欲求が強いからこそ、仕事に打ち込み、結果を出し、
キャリアのために社を離れることは自然なのです。
これは誰の責任でもありません。
仕事を通じて成長して、次のフィールドに飛び立った本人にしてみれば、
満足度が高い会社に属したと感じていることでしょう。
これは決して悪いことではないと考えます。
ちなみに成長企業では、そういったことを想定して「出戻り制度」を設けている企業も多くあります。
・適切な仕事量・負荷
与える仕事量も大切です。それ以外の項目では満足しても、
あまりにも多い仕事量で毎日残業では、モチベーションは確実に下がります。
仕事の分担や効率の向上などマネジメント層がかかわることで
改善することが必要です。
②企業理念・組織風土
多くの企業が経営理念などをホームページに載せています。
社内で額縁に入れて掲示していある企業も多いでしょう。
問題はどれだけ末端の社員が賛同し定着しているかです。
理念とは一言で言うと、自社が世の中に存在している理由です。
社会貢献的で耳障りの良いフワッとしたものよりも、
シンプルで俗的なもので構わないので、意図が明確でわかりやすいもの、
そして社内浸透の徹底が必要です。それができている会社は強いです。
組織風土とは、「カルチャー(組織文化)」です。
「批判するのであれば提案を」「言い訳は言わない」
「挑戦は是、非挑戦は非是」「挑戦しての失敗は大歓迎」
「数字で語る」など
行動様式や、社内に根付いている価値観。これが組織風土です。
社員の関心が内向きでなく外(顧客や業績)に向いている風土であり、
誰かを貶めたり僻んだり、負の感情ではなく、より良い仕事をする方向の
社内風土が定着している会社は総じて働く人の満足度は高いものです。
③職場環境・人間関係
・良好なチームワークやコミュニケーション
仕事はチームで行うものです。
チームメンバーが自分のことだけを考えるのではなく
チーム全体で取り組む課題に貢献しようとする空気が醸成されていれば
良好なチームと言えるでしょう。
そのためには、前項の組織風土にも大いに関係しているテーマと言えるでしょう。
良好なコミュニケーションも社員満足度を上げるためには重要です。
お互いの長所や短所を理解したうえで、信頼関係が構築された上で
言いたいことが言い合える空気が理想です。
・不満のない職場ルール
全員が納得した上で制定された社内ルールも重要です。
④社内制度・福利厚生
働き方の多様化に対応した制度設計が近年特に求められています。
出産、育児、介護など社員それぞれが色々な環境下で生活をしています。
それらを理解した上での制度設計が重要です。
これらの制度が充実しているかどうかで企業選びをしている求職者も多くいますし、
制度がないために、やむを得ず退職をする人もいます。
実際、これらの問題に直面していない新卒者でも将来的なことを考え
企業選びの指針としている学生も増えてきています。
また、テレワーク対応も近年重要な指針になってきています。
そして、福利厚生です。
データでは企業選びの際に、福利厚生の充実を「かなり重視する」求職者が40%以上います。
一番人気の福利厚生は家賃補助ですが、これはコストもかかるため
全ての企業が導入できるものではないと言えます。
比較的安価で導入できるものとして外部サービスの福利厚生を導入している
企業が多いのではないでしょうか。
利用率の低い福利厚生サービスも多いため、導入するだけで満足するのではなく、
社員に求められている福利厚生を考え構築することが重要です。
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